オンラインでの決済やミーティングが当たり前になった今、Webサイトの訪問者を取りこぼさずコンバージョンに導くWeb接客ツールが注目を集めています。
様々なWeb接客ツールがある中、自分のWebサイトにはどのようなタイプが最適なのかを見極める必要があります。
今回は、Web接客ツールを比較検討する基礎知識として「Web接客ツールの種類」を解説します。
Web接客ツールにはどのような種類があり、それぞれのメリット・デメリットを理解した上でツールの比較検討を行うと導入で失敗するリスクを軽減できます。
Web接客ツールの種類
Web接客ツールは大きく分類すると「ポップアップ型」と「チャット型」に分かれます。Web接客ツールの中ではその両方に対応していて契約プランによって料金を分けている場合もあります。
ポップアップ型 | パソコンやスマホの画面上にポップアップウィンドウを表示するタイプの接客方法 |
チャット型 | Webサイトにチャットシステムを埋め込み、テキストチャットでユーザーと対話する接客方法 |
ポップアップ型
ポップアップ型とは、パソコンやスマホの画面上にポップアップウィンドウを表示するタイプの接客方法で、2つの特徴があります。
- 視認性が高い
- 訴求内容をパーソナライズできる
ポップアップは閲覧しているページの上に重なる形でアニメーション表示されるため、視認性が非常に高いのが特徴です。
ユーザーの行動や思考に割り込みする形で表示されるため、タイミングや訴求内容がユーザーにマッチするものでなければ、UX(ユーザー体験)を大きく損なう原因になりかねません。
そのため、多くのWeb接客ツールには訴求内容をパーソナライズできる機能(1人ひとりの属性や行動履歴に合わせて最適な情報を届けるためのシナリオを組む機能)が備わっています。
- 未購入ユーザーには、「無料体験」「セミナー参加」を案内する
- サービスを利用中のユーザーには、「割引」「キャンペーン」を案内する
- ショッピングカートに商品が入ったまま離脱しようとするユーザーにお知らせ
このようにWeb接客ツールのポップアップ型は、ユーザーの思考にマッチした訴求ができるかどうかが重要なポイントとなります。
ポップアップを「いつ」「どこで」「誰に」「何を」「なぜ」「どのように」表示させるかシナリオを設計し、PDCAを回し続けることでその精度が上がります。
チャット型
チャット型とは、Webサイトにチャットシステムを埋め込み、テキストチャットでユーザーと対話する接客方法です。
ページ閲覧中に疑問や不安を感じたユーザーがチャットウィンドウから気軽に問い合わせを行うことができるため、離脱の抑止・UX(ユーザー体験)向上につながります。
また、運営側はチャットを通じてユーザーとの双方向のコミュニケーションができることで、ユーザーの入力内容や選択項目から精度の高いニーズを汲み取り、適切な提案をすることができます。
- 担当者が直接チャットに対応する「有人対応チャット」
- 設定したシナリオに沿ってシステムが自動対応する「シナリオ型チャットボット」
- チャットボットに、AI(人工知能)を組み合わせた「AI型チャットボット」
チャット型のWeb接客ツールには、大きく分けて「有人対応」と「無人対応」が存在します。有人対応は人間が直接チャットに対応するタイプで、無人対応はあらかじめ用意しておいたシナリオに沿ってシステムが自動応答するタイプと、AI(人工知能)を活用したタイプに分かれます。
有人対応(担当者による直接対応)
担当者が直接対応するチャットです。
ユーザーからダイレクトに質問を受け取り、双方向のコミュニケーションを重ねることで細かなサポート対応と質問の裏に隠された本質的な解決策を提供することができます。
- 双方向の深いコミュニケーションにより顧客満足度を高めることができる
- 機械的に質問に答えるだけでなく、根本的な解決策を提案したり、営業対応するなど臨機応変に対応できる
- チャット担当者の負担が大きい
- 文章を打ち込むため、無人対応と比較して対応に時間がかかる
無人対応(シナリオ型チャットボット)
あらかじめ設定しておいたシナリオに沿って、システムが自動対応をするチャットボットです。
チャット画面上に表示された選択肢から自分の質問内容にあったものを選択すると、選択されたものによって次の質問と選択肢が表示されます。これを続けていくことで最終的に質問の回答に辿り着くという仕組みです。
- 顧客対応の人的リソースを削減
- 24時間年中無休で稼働
- シナリオに設定していないイレギュラーな質問には対応できない
- シナリオの精度を上げるため、定期的な改修が必要
無人対応(AI型チャットボット)
チャットボットと機械学習を組み合わせることでユーザーが直接入力した質問に対し、最適な回答を蓄積されたFAQデータから返信したり、会話内のキーワードから自動的に質問と返答を類推します。
- 無人対応でありながら、有人対応のような柔軟な対応が可能
- 蓄積されたデータをもとにAIが自己学習し、回答の精度が上がる
- シナリオ型チャットボットより料金が高め
- AIに学習させるための蓄積データが少なければ大きな成果は得られない